お前らパンクで更正しろよ

 しっかし早いモノで、上半期も終わりなモノで。
 音楽のレビューとかは、まあそのうちやるので置いておいて。ちょっとばかし殴り書きさせてくださいな。
 なんつーか、けっこう非道い6ヶ月だったと思いませんか、正直。いや。プライベート(厄年)のことではなくて、こう、世の中の空気というかなんというか。特にここ2,3ヶ月、世の中に絶望するようなニュースばかりだった。絶望する、というか、絶望が更なる絶望を呼び起こすというか。被害妄想で傷ついた心があるところでは人を殺させて、あるところでは自殺に追い込み。悔しいかな、ニュースの登場人物にたまに気持ちがシンクロしては正直すごい凹んだ。


 気のせいかもしれないけれど、今の世の中、結構みんな絶望してる人が増えてるんじゃないかな、と思う。格差社会とか流行語を差し引いても。実際に望みがないわけではないけれど、薄望くらいか。どうにも生きづらい、何かにすがりたい。すがってもいいかな、と勝手に期待しては、勝手な期待は当然裏切られて余計つらくなる。きっと同じ立場なら同じことするのに(インスパイヤド・バイShing02
 こういう気持ちが表面化するのがニュース上の『事件』だけなら「特異の例」として扱えばまだ良いのだけれど、音楽とか大衆的な文化も、なんか絶望する人たち、増えてきてるんじゃないかと思ってて。『凜として時雨』とか『ミドリ』とか『9mmパラベなんとか』とか『チョモランマ・トマト』とかさ。戸川純椎名林檎をさらにゴスゴスにしたような文学ロックやる人たち。おいちゃんも大好物なんだけどね。
 もう、そんなんばっかりつらつら考えてたらつらいだろうてってことばかり歌う、こんな音楽がオリコン20位前後に顔を覗かせるような世の中。上記のバンドがギョーカイに作られたムーブメントではなく、みんながタダで聞けるネット音楽配信サービスmf247で市民権を得はじめてた、ある意味底辺からの突き上げみたいなムーブメントだってのも印象深い。
 やっぱりみんな、何かしらイチモツ抱えてつらいんだろうなあ、と思う。抱えてるイチモツはそれぞれだろうけど。そこに『痛み』があるのは多分共通してる。上記のバンドほど突き詰めて荒廃しきってないものの、RADWIMPSとかBUMP OF CHICKENも割と同じカテゴリーだろう。
 聴いたことのないバンドの名前つらつら並べられても何の話かわからないだろうて、ここで一曲どうぞ。チョモランマトマトで『FIVE SENSES-FIVE MINUTES-自分のしがらみに溺れるな-』。

『救えない人々はあふれて!
 札付きレリジョンにやつれて!
 自分のしがらみに溺れるな!』


 もうね。いっぱいいっぱいな歌でしょう。「顔の見えない」PVの人間不信さも含めて。
 別に、こういう音楽が悪い、というわけではなくて。たぶん、ここで立ち止まってる人たちは、この音楽にすごい救われてると思うの。かつての筋肉少女隊とか、もちろん戸川純とかがたぶんそうであったように。だからいいの。
 ちくしょう!パンクで更正してやる!てやけっぱちにまでならなくても、とりあえず、同じような考えの人が世の中にはいるって心の拠り所にしてもらえれば、それでいいのだ。とりあえずは。鬱病的文化はやっぱり多少は必要悪。おいらも正直、割とそっちに救われてるし。
 問題は、多分こういう音楽聴かない人の中にも、同様のわだかまりを抱えてる病んでる人たちが増えてるんじゃないかってこと。そして、みんな同じようにこういう拠り所にはたどりつけないんじゃないかな、てこと。
 あと、もし、この拠り所にたどりついても、一時の快楽を抜けても、やっぱりつらいものの本質は、何か前向きにしてくれる何かがないと消えがたいわけで。この集団危険信号にどれだけの人が気付いて、どれだけの人が動いてくれるか、動けるか(本人のダメな部分改善も含めて)でもあると思うんだけど・・・。
 この問題と向き合うの、誰にとっても簡単なことではないんだろうなあ。自分のこと以上に他人事となると尚。そう考えると、向こう半年もまたこんなニュースが続くのかなあ、やっぱり。僕らの前にもう少しだけ、幸せな未来が来てくれるといいのだけれど。


 世の中実は今まで通り、それどころか前よりはマシになってて、そんなことばかり考えてしまうのは、自分が厄年くらいの悩み多きいい年になって、ようやくちゃんとそういうニュースを気にするようになったから相対的にそう感じるだろうか?なんても思うけど、うーん。それにしてもねえ。うーん。
 もっと世の中、優しくなれねえものかなあ。なんとか。


 グダグダ責任転嫁して偉そうにご託並べる前に、まず自分から、か。うーん。心がけられるといいな…。秋葉原レコファン寄ったついでに手を合わせてきてから、そんなことばかり考えて仕方ない。ホント仕方ない。

やさしい気持ち

やさしい気持ち


 つづく。かも。