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 27時間テレビの最後2時間を見てて、ああ、やっぱりテレビ好きだな、面白いなあ、と思ったった。


 見た人どのくらいいるでしょか。「明石家さんまの車をビートたけしがブロック塀にぶつけてゴタゴタにする」という、バラエティがハッチャけてた16,7年前でもあーやこーや言われた、伝説のネタのセルフパロディ
 あんなカースト制度の下の人が見るような番組見ちゃいけません!と厳しい親に育てられて見られなかった方々に一応説明しておくと。
 「車をめちゃくちゃにする」というコンセプトはそのままに、まずカラフルな色に塗られたナイナイ岡村明石家さんまの車が登場→そのうえにさらにペンキを乱暴に塗りたくるビートたけしを見てタレント達がかけつける→ペンキをぶちまけたり車暴走させたりたけし大暴走→つられて他の芸人もペンキかけあって大暴走→今田兄さんが軽く轢かれる。
 と、まず延々とそれだけで30分くらい。


 これだけ書くと、本当に往年のノリ。PTA怒ってしかりなのだけれど、なんとなくPTAも納得してしまうような形になってたのがすごかった。だってあれ見方によってはアートだもの。北野武もネタとして「これジャンクアートだよ」って言ってたけれど、まんざらでもない。
 車のアートも一応きれいだし、白いスタジオでカラフルな色のペンキをぶちまけあう絵面もキレイ。車の走ったタイヤ跡すらカラフルで愛おしい。
 ペンキを利用して、北野武とフジテレビが、現代バラエティでベッタベタに形骸化してしまったドタバタ感を色の軌跡でカラフルにリパッケージして、改めてその躍動力と自由さをペンキを交えることによって絵にしました。みたいなご託を並べてYouTubeにでもアップしたら、一部の外国人(と誰でもピカソが大好きな人たち)がすごい食いつくんじゃなかろうか。


 うーん。いや。久々に密度の濃いものをテレビで見た。
 グダグダだったけどキレイだった。
 今田の兄さんすらキレイだった。


 YouTubeさんにもアップされるとは思うのだけれど、すぐ消されると思うので、イメージ映像としてここではKanYe WestさんのGood Lifeをお楽しみください。